「教習所がなくなる！？」

武蔵境自動車教習所の高橋勇会長の話です。
（武蔵境自動車教習所は地域ナンバーワン、全国第3位）。

2年前の第702号「理念経営は間違いではなかった」では、
四国香川県の経営破綻した坂出自動車教習所を
武蔵境自動車教習所のモデルを活用して見事に再建した話でした。

この成功モデルをパッケージ化して、
他地域の不振教習所を再建、
グループ化する構想がありました。

しかし、
やめました。

「なぜ？」

自動運転です。

2年前、シリコンバレーに行くと、
グーグルがトヨタのプリウスを使って
自動運転をしていました。

そのころは2、3台が動いていて、
特に気に留めていませんでした。

昨年シリコンバレーに行くと、
グーグルは、独自のクルマを開発して
いたるところにグーグルのクルマは走っていました。

赤信号で止まっていたグーグルのクルマが
青信号になるとスムーズに走り去っていきました。

「エッー」。
高橋会長は叫びました。

「こんな短期間で自動運転がここまで進んでくるとは」。

「人間が運転する方が交通の流れを阻害する」。

「間違いなく4、5年で。
　いや3、4年で自動運転の時代になる」。

「そうなると教習所がいらなくなる」。

方向転換。

私の使命は、
社員と社員の家族を守ること。

だから、
これは大変な事態だ。

事業拡大はストップ。

来るべき「自動運転」に備える必要がある。
新規事業を開発。

自動車産業は家電になり、
自動車教習所はなくなる。
（なくならないかもしれない。）

時代が大きく変わるとき、
振るいにかけられる。

多くの会社が振るいで落ちていく。
残る会社はチャンスになる。

振るいにかけられないように準備すること。
今は事業拡大の時期ではない。

将来を予測する。
これも経営者の資質です。