「首相の施政方針演説」
2月20日、高市早苗首相が
施政方針演説をした。
冒頭部分に
「信(しん)以(もっ)て義(ぎ)を行い、
義以て命(めい)を成す」という言葉を発した。
この言葉は、
中国古典の歴史書「春秋左氏伝」からの由来。
同書は紀元前の春秋時代
(紀元前770~前476年頃)の史実を記した歴史書。
同書の元になったのが、
「春秋」という歴史書である。
「春秋左氏伝」は「春秋」の注釈本。
「春秋」を編纂したのが
孔子と言われている。
孔子はなぜ歴史を書いたのか。
乱世を正すために歴史を書いたと言われている。
孔子は軍事的革命家ではない。
孔子が選んだのは歴史を書くこと
(崩壊した秩序を立て直す。善悪の基準「義」を示す)。
孔子は歴史を通して
「義」を後世に示したとされている。
「春秋左氏伝」の
「信以て義を行い、義以て命を成す」の話に戻す。
「信以て義を行う」
:誠実さ(信)に基づいて、正しい道理や正義(義)を実行する。
「義を以て命を成す」
:正しい道理や正義(義)によってこそ、
与えられた使命・責務(命)を全うできる。
意味を整理すると、
誠実さ・信頼を基盤に、
正しい道(義)を実行し、
それによって本来の使命(命)を実現するという
精神・生き方の原則を示す言葉。
高市首相の演説では、
国家運営の正統性は「信(国民からの信頼)」にある。
その信頼に基づいて「義(正しい政策)」を実行する。
それによって国家の使命を果たす。
この言葉の核心は、
1.信(誠実・信頼)
2.義(正義・道理)
3.命(使命・国家の存立)。
高市首相はこの後、
「国民の皆様から賜ったご信任を基礎として、
これから述べる施政方針にのっとり、
一つひとつの政策を誠実に、
ブレずに、実行してまいります。
『日本列島を強く豊かに』」と述べた。
日中関係が冷え込んでいる昨今、
日本の首相が選んだ言葉が
中国の古典から引用したもの。
ビジネスにも通じる。
中国の歴史は深い。