「直近3期分の決算書」
創業70年のA社の
直近3期分の決算書を見せてもらった。
まずは貸借対照表。
自己資本比率は60%以上。
流動比率は200%以上。
健全な財務体質である。
現在の社長は3代目、
社長を引き継いで10年。
先々代、先代が築き上げてきた。
貸借対照表を見ると、
その社長の性質が読み取れる。
自己資本比率が50%以上の場合、堅実な人が多い。
長い間利益を出し続け、
法人税を納め続けないと自己資本は貯まらない。
次に損益計算書。
売上高は3期連続減収。
経常利益は直近2期連続で赤字。
労働分配率
(企業が生み出した付加価値のうち、
人件費がどの程度を占めるかの割合を示す指標)
は60%台から70%台へ
(黒字会社は50%)。
売上高及び売上総利益(粗利益)が
3期連続で減少しているにもかかわらず、
人件費は3期連続増加している。
その結果、2期連続赤字に転落。
業績はじり貧状態に陥っている。
現在の儲け度は
「上」「中」「下」でいうと
「下」の「下」。
利益の蓄積度は
「上」「中」「下」の
「上」にランクする。
過去の利益蓄積は多いが、
現在の利益は低い。
業歴の古い会社に多い。
経営の「仕組み」が良いか悪いかは、
わかりずらい。
ヒントになるのが「利益」。
1人当りの経常利益が同業より3倍あれば、
経営の「仕組み」が3倍上手くできている。
業界平均の1/3しかなければ、
経営の「仕組み」が1/3しかない。
赤字が続いていれば、
構造的に間違っているか、
時代と合わなくなっている。
A社長の話を聞くと、
得意先から注文が来て、
見積を出す。
得意先から値下要請があれば、
仕事がなくなるのを恐れて、
値下げに応じてしまう。
値段を決めるのは従業員ではなく
社長が決めている。
結果、蓋を開けてみたら、
赤字になっていた。
赤字の原因は社長だった。
従業員は社長の指示通りに働いていた。
「戦略なき経営は怖い」。
A社はこのままの状態であれば、
坂をころげように
廃業もしくは債務超過になるまでやって倒産になる。
自社の強みを発見し、
得意先を訪問し、
新たな市場を開拓する。
自己資本(内部留保)があるうち、
今後3年で改革していけば、
トンネルは抜ける。