「利と義」
4月19日付日経新聞、
「技能実習後大都市へ流出」という記事。
地方で技能実習を終えた外国人材が
賃金水準の高い大都市に吸い寄せられている。
2027年度に技能実習は新制度「育成就労」になり
実習途中でも転職が可能になる。
地方の魅力を高めないと
人手不足が一段と深刻化する。
2025年住民基本台帳による人口動態では、
三大都市圏に合計約12万人の転入超過、
日本人(特に若年層)も依然として大都市圏に集中している。
中国古典「韓非子」の人間観は、
「人は利で動く」。
人は生まれつき善でも悪でもなく、
自分にとって得か損かで行動する存在。
つまり、利益があれば動く。
損をすれば避ける。
非常に現実的な人間観である。
例えば、給料が高いと一生懸命働く。
得がなければ頑張らない。
人の行動は「利益」と「不利益」で
コントロールできると考えていた。
調べていくと、
日本人以上に外国人が
大都市圏特に東京圏に流入が多い。
それは、仕事(サービス業・IT・建設・外食)、
学校(日本語学校・専門学校)、
コミュニティ(既存ネットワーク)等たくさんあることが要因。
一方、中国古典「孟子」の人間観は、
「人は義(正しさ)で動く」。
義とは正しいこと。
私利私欲でない判断。
得だからやるのではなく、
正しいからやるという考え方。
人は本来「義」を感じとる力がある。
この2つの思想を合体させたのが
渋沢栄一の「論語と算盤」。
義を忘れた利は搾取。
利を忘れた義は空論。
「利」は事業継続を可能にする源泉。
粗利を高め、東京圏と同等な条件で
給料を支払可能か。
競争相手は東京である。
15年前ベトナム視察ツアーを主催したとき、
現地日系企業の社長は、
「採用した社員の実家に行って両親に挨拶をする。
そうすると離職しなくなる。
なぜなら親が離職を反対するから」と言っていた。
外国人は日本人以上に親を尊敬する。
つまり、「義」である。
日本在住の会社が外国へ行って、
両親に挨拶する社長は皆無でしょう。
外国人を「人手」と見るか、
「人材」と見るか、
「利」と「義」を兼ね備えた企業に
人は集まるような気がする。