「三原ノート」

WBC（ワールドベースボールクラシック）で
14年ぶり世界一を奪還した
監督栗山英樹氏の「栗山ノート」（光文社）が再び売れている。

栗山氏が監督として土台になっていたのが、
故三原脩氏（日本一4回）が残したノートである
（BSNHK「スポーツ×ヒューマン」より）。

「野球のすべてを一定の型にはめる事はできない。
すなわち、
あらゆる状況にあてはまる型というものはない。

基本型はあるが、
これがすべてではない。

基本型を状況に応じて変化させて使いこなしていく。
野球は絶えず変化するゲームである」。

「勝負は実力5、運3、調子2の割合である」
（栗山氏談、「監督の教科書はないけど、これが原則ではないか」）。

「勝負は不思議と得手と苦手がある。
自分は何とも思わなくても、
相手がそう思い込む所に利点がある。
また、不利点がある」。

中西太氏（元プロ野球選手・三原氏の義理息子
・栗山氏にノートを提供）、
「長所をいかに見つけ出すか一番難しい。
人は十人十色、野球でも何でも長所を引き出して、
長所をつなぎ合わせてやらなきゃいかん」。

困難に直面した選手にどう向き合うか。

「選手の性格は十人十色。
強い言葉や行動によって成長していくタイプの者がいるし、
やわらかいおだてによって成長していく選手もいる。
監督コーチはこれを見抜かねばならない」。

栗山監督は、WBCの準決勝、決勝で
村上選手を4番から5番にした。

人は感じ方が違うので、
その人に合わせたやり方をしないといけない。

しかし、
村上選手への答えが見つからない。
それで丁寧に接することにした。

監督室で直接話したり、
電話したり、
LINEでメッセージを入れたりした。

準決勝の9回、
ランナー1塁2塁でバッター村上。

監督は一番高い確率を選択する。

村上にバンドはない。
代打のバンドはあの場面、非常に難しい
（控えの選手に準備はさせたが）。

村上に打たせるのが一番確率が高いと判断。

三原ノートでは、
「三原の用兵に奇策が多いと言われる。
しかし私から見ればそれは奇策ではない。
私自身のセオリーである」
（誰も気づいていない所まで私は気づいている）。

先を見る洞察力。
ビジネスでも通じる。