「強いものをより強く」
3月8日付日経新聞に、
「伝統崩し高級品に賭け」という記事。
「P&Gやユニーリーバになるか、
エスティ・ローダーになるか。
資生堂はエスティ・ローダーを選ぶ」。
米P&Gや英ユニリーバは
日用品から化粧品まで幅広い価格帯をそろえる。
一方、米エスティ・ローダーは
1万円以上の商品が中心の高級ブランド。
ヘアケアなど日用品事業を売却。
幅広い消費者にターゲットだけに競争も激しい。
国内では新興企業の台頭もあり、
直近のシェアでは5%を割り込む。
「世界では勝てない」。
強い事業をより強くしていかなければ
生き残れない。
中国に研究開発の拠点を開設。
消費者の肌を研究しながら
高額でも売れる商品作りを目指す。
従来の資生堂は「総合化」だった。
主力の化粧品だけではなくシャンプーなど
スキンケアや日用品まで扱っていた。
ランチェスター戦略で言うと「強者の戦略」。
日本だけ見ればこれで良いのかもしれない。
しかし成長はできない。
成長するには世界。
世界において弱いものでは戦えない。
強いものをより強くしなければ
世界では生き残れない。
資生堂は「強者の戦略」から降りた。
世界では「何で」戦えるのか。
資生堂は、それが化粧品であり、
高級品と判断した。
ランチェスター戦略では、「弱者の戦略」。
一点集中。
一般大衆、低価格志向の消費者を捨てた。
勝てない市場は撤退する。
勝算なきは戦わず。
経営における実行の手順は、
「目的・目標」⇒「戦略」⇒「戦術」。
ウエイト付けは、
「目的・目標」57%、「戦略」29%、「戦術」14%。
目標の定め方が
経営のウエイトの半分以上占める。
資生堂の社長は、日用品を捨て、
化粧品、それも高級品に絞った(低価格商品は捨てた)。
大企業でも目標の定め方は社長の仕事。
中国に開発拠点は置くが、製造は日本(Made In Japan)。
中国における上位は
ロレアル、エスティ・ローダー、ディオール。
資生堂は4番手に位置する。
これからどう食い込んでいけるか。
今後、資生堂の戦略に注目したい。