「夜は明けたか」
12月25日付日経新聞の証券欄に
「日本株の夜は明けたか」という記事。
日経平均株価は1991年以来の高値圏。
バブル崩壊で株価が急落していた当時、
日経ビジネス誌は「午後4時の日本経済」と、
たそがれの日本を描いた。
現在の日本企業の位置は、
1日の時計の針でいえば、
「午前10時(午前7時という意見もある)」。
既に夜は明け、
日が昇る可能性を見ている。
日本経済は30年ごとに
「陰」と「陽」が入れ替わるとの大局観で
「陰」の時代を抜け出してみる。
団塊の世代から次の世代にバトンが渡る。
コロナ禍はその変化を加速させるとの視線。
「危機は新しい世代の経営者を生む土壌になる」。
陰と陽といえば、中国古典の易経。
易経は「人生のある時」と「変化の兆し」をテーマに、
「時の変化」を説いている。
時は陰と陽の働きによって絶えず変化している。
「兆し」を感じ取ることが重要。
「きざし」には2つある。
「萌し」は、目で見て気づきやすいもの。
「兆し」は現象としては目には見えないが、
物事のゆくえを暗示するもの。
(参考「竹村亜希子の易経入門」)
最近の新しい経営者の話を聞いてみると、
「コロナのお陰で、営業時間短縮で、
睡眠時間が3~4時間から6時間に増えた。
考える時間ができ、経営を勉強できる環境になり、業績が上向いた」。
コロナ禍が吉と出た人。
サービス業を経営している経営者は、
「コロナによって、接客ができなくなり、
店舗は閉店に追い込まれた。
並行して新たな事業が進行しており、
改めてここで経営を勉強して上を目指したい」。
コロナ禍が凶と出たが、
悔い改めることで打開しようとしている。
IT系の経営者は、
「今は経営が安定しているが、先はわからない。
不安がある。経営や営業を知らない。
ここできちんと経営の基礎を学ぶ」。
「吉」「凶」「悔(かい)」「吝(りん)」がキーワード。
吉と凶はわかる。吝はけちる。悔い改めることをけちる。
吉だといって有頂天になり、
日々の改善・革新を怠るとすぐに凶になる。
「悔」は悔い改めること。
凶という状況を察知して、
このままではやばいと気づき、
素早く改めると災いにはならない。
置かれた立場によってそれぞれ違いがある。
兆しをつかむことで吉になる。