新潮選書「弱者の戦略」（稲垣栄洋著）を読んで（２）

稲垣栄洋氏は静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。
動植物の生存競争の視点から「弱者の戦略」を書かれています。

自然界は「弱肉強食」である。
強い者だけが生き残り、弱い者が滅びゆく。
それが自然の厳しい掟である。

同じ種類の中にも、強い者もいれば、弱い者もいる。
「ずらす」ことは同じ種類の中でも有力な戦略となる。

ラクダは砂漠という過酷な環境に適応している。
森林や草原に比べて、砂漠には、天敵となる肉食動物が少ない。

「らくだ」というほどに、砂漠で暮らすことは楽ではないが、
その環境さえ克服することができれば、
天敵がいない楽園なのである。

ラクダ科の仲間は、
天敵やライバルがいない場所を選ぶという戦略に徹底しているのである。

厳しい環境に適応するために、さまざまな能力を発揮させているのだ。
コブは脂肪でできていて、栄養分を蓄えているのである。

天敵やライバルがいないということは、
それだけ厳しく棲みにくい環境ということでもある。
「ずらす」という戦略には、それなりの工夫が必要なのである。

●「町コン」五十嵐勉（五十嵐ダルマ）
「ずらす」
相手の土俵に上がるのではなく、自分の土俵で勝負する。
自分の土俵を作るには創意工夫が必要であり、
そこに至るまで厳しいさに耐えることにもつながる。

中小企業でもいえることです。自分も然り。

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