「NOと言えるようになる」
NHKテレビ番組「奇跡のレッスン(柔道編)」で
柔道の最強コーチは言っていました。
「柔道は『NO』と言える人間を育てる。
相手の技にかけられないよう『NO』という意思表示をし、
次に自分の技をかけるという自己主張をする。
柔道は自分の意見が言える人間を形成します」。
精密機械専門の運送会社K社(従業員10人)の話。
特定の会社に売上全体の大半を占めていました。
リーマンショック後、大口取引先から取引を切られたり、
値下げの圧力が増してきました。
売上は激減。
取引を切られたくないため、
値下げの要請に対して「NO」と言えず、
「YES」と受けざる得ない日々が続きました。
「NO」と言えない負け犬根性が身についてしまいました。
ランチェスター「弱者の経営戦略」を知る機会があり、
そこから1年学びました。
精密機械の運送で培われた
「細かいことを丁寧に行なう技術」を
楽器の運送に活かすことができました。
K社の周辺地域では
楽器を専門に行なう運送会社がありませんでした。
楽器の運送に一点集中していくことで
その地域での市場占有率が高まっていき、
利益性が良くなっていきました。
価格を自社で決めることができるようになってきたのです。
取引先を分散させることにより、
特定の取引先に対しても価格の値下げ要請に対して「NO」と言って、
逆に値上げ交渉ができるようになりました。
「最初は恐る恐るでしたが、
ちゃんとこちらの意見を言うようにしたら、
案外通るようになりました」。
品物を大切に運送することから
和装の展示会の運送依頼も来ました。
従来の運送会社だと和装にしわができて、
和装会社の販売が不調でした。
K社だとしわにならず、
販売に支障がなくなり、
和装会社からも感謝されました。
K社は、
いままで取引先から言いなりになっていましたが、
自社の強み(細かく丁寧に運ぶ)を知り、
その技術を高めると、付加価値が付くことに気づきました。
粗利益を高めることができると
同業者平均以上にドライバーへの給料も払えるようになります。
求人難を解決することもできます。