「高価格帯の企業」
2月20日付、日経新聞に「フェラーリ、変革に媚びず」という記事。
「高額商品が盛り上がる日本だけでなく、
世界中で販売好調なフェラーリ。
自動車業界で群を抜く株価のパフォーマンス。
年間販売9,000台以下の小規模メーカーに世界の投資家が熱狂している。
2017年12月期売上高34億1700万ユーロ(約4500億円)、
営業利益7億7500万ユーロ(約1020億円)。
富裕層に絶大な支持を得て、
この数字をわずか8398台で稼ぎ出した。
1台当たりの営業利益は1200万円。
トヨタは21万円で50倍超。
自動運転、電動化などの競争からある程度距離を置き、
コモディティ化の流れとも無縁。
むしろ多くのメーカーが変革の波にもまれるなか、
変革に媚びない突き抜けた存在」。
ランチェスター「商品戦略」のテキストにこう書かれている。
中価格帯は競争が激しいので、
弱者は圧迫を受け、苦戦する。
強者と差別化として高価格帯がある。
弱者が高価格帯の商品を狙う場合、いくつかの条件がある。
1.社長個人のパーソナリティが高価格にふさわしいイメージを持っていること。
2.会社のイメージもそれにふさわしいこと。
3.商品のデザイン、カタログもそれにふさわしいこと。
4.従業員の技能もそれにふさわしいこと。
5.エンドユーザーに直販を優先すること。商品説明をきちんとするには直販が望ましい。
フェラーリは全てに該当する。
フェラーリになることは難しいが、
高価格帯や高付加価値のある商品・サービス作りは
中小企業には必要。
下請けのモノ作りは
毎年完成品メーカーから5%以上のコストダウンを強いられる。
毎年デフレ環境下に置かれる。
利益が少なくなり、食えなくなり、
いずれ廃業になる。
ここはちょっと頭を使って、
値上げをしていく。
つまり毎年インフレにしていかないと利益は増えない。
社員の給料を年々増やす事ができない。
中小企業は、同業者との競争ではなく、
顧客と切磋琢磨して価格と価値を高めていく
異次元競争にチャレンジしてみること。