「適正価格」
平成28年10月30日(日)~11月6日(日)まで
イタリア企業視察(5社)に行ってきました。
(成田⇒パリ(仏)⇒ミラノ(伊)⇒バーリ(南伊)⇒ローマ⇒
スポレート⇒フィレンツェ⇒ヴェネチア(北伊)⇒パリ(仏)⇒成田)
成功しているイタリアの衣料メーカー(中小・零細企業)を訪問し、
共通して言っていた言語は、「パッション(情熱)」と「フィロソフィ(生き方)」。
C社は2008年にファクトリーブランドを立ち上げたが、
すぐにリーマンショックからの世界大不況になり、
暗黒の4年間を過ごした。
苦しくて、いつ辞めようかと思っていたが、
自分を信じることで続けてきました。
2012年より顧客から支持され始め、
そこから右肩上がりの業績になりました。
商品を絞り、
競合先の価格帯からずらし、
他社が入り込めない所で自社の独自性を発揮しています。
日本でジャケットが5万円で販売。
MADE IN ITALYだとすると
あと2万円ぐらい高くてもいいのではとの問いに、
「そう思ってもらえるとこちらの戦略が当たっているということ。
実際に2万円高くすると強い競争相手とバッティングする。
我々は安く売っているのではなく、
生地の段階から研究して、
(利益が出る)適正価格で売っている」。
少し成功するとバイヤーからいろいろな提案が来ますが、
敢えて話を聞きません。
商品群を広げると自社の力が弱まることを知っています。
細く深く掘り下げて、研究に研究を重ね、
他社の追随を許さない姿勢を保っています。
「パッション」と何度も話されるので、どのくらい働くのか訊くと、
「いい質問するね。考えたことなかった。
朝起きて、すぐに仕事のことを考え、
会社に来て定時の時間が終わってからも仕事をしている。
土曜日にも出勤している」。
「適正価格」という言葉が出てきます。
これは会社が持続可能な利益を得ることができ、
工場で働く人たちの雇用を守り、
幸せな生活を送る条件。
低価格では会社が疲弊し、
社員も疲弊し、
全てが不幸せになります。
イタリアでも工場での働き手が不足しており、
技術の承継が課題です。
同じ悩みを持っています。
戦い方も「弱者の戦略」で共通しています。