「逃げ勝ち」
私は大学を卒業したから13年間リース会社の勤務を通して、
与信や債権管理を学びました。
ちょっとした些細なことでも反応してしまいます。
先日、ある運送会社のA社長から電話で相談がありました。
「取引先が支払いを振込みから小切手にしてほしいと依頼がありました。
どう対処したらいいでしょうか」。
小切手は郵便で送られ、現金化になるには数日かかります。
届くかどうかわからない。
現金化に日数がかかるリスクがあり、
承諾してはいけません。
振込みから小切手に変える理由は
資金繰りが考えられます。
不良債権防止のポイントは、
1.販売先の情報収集力。
2.情報の判断能力。
3.実行力。決断力。勇気。
情報の信頼度は、
1.自分の足を使い、
自分の目と耳で直接確かめる。1次情報。
2.現場で見た人から聞いたものを、2次情報。
見た人の私見が入るので精度が低下します。
3.聞いた人から聞く。3次情報。
雑音。当てにならない。
まずやるべきことは、
直接訪問して1次情報を入手すること。
次に販売先の仕入業者に親しい先があれば、聞いてみること。
これは2次情報になります。
ただし、
仕入業者が心配ないと言われても鵜呑みにしないことです。
3現主義の実行。
現場。
現物。
現実。
最終的には1次情報が命。
小さな会社は、「逃げ勝ち」。
危ないと思ったら、
取引を中止して全額回収の道をとることです。
今回の場合、
売上全体の1%以下の販売先であったので、
取引を止めても影響はありません。
強気に対応しても大丈夫。
なぜ、小さな会社は、「逃げ勝ち」なのか。
10万、20万円と小額取引でも不良債権になった場合、
不良債権になれば、1銭も回収できません。
なんやかんやで
粗利益の生まない作業が発生します。
時間の浪費になります。
支払いは精神状態を表わします。
支払いの変更や支払い遅延は危ない兆候のシグナルです。