「農業やるなら、今!?」
ランチェスター経営の1人当たりのデータ(黒字会社)によると、
全業種:(粗利益)801-(経費)715=(経常利益)86万円。
全農業:(粗利益)1,028-(経費)851=(経常利益)177万円。
農業の方が全業種平均より1人当たりの経常利益が2倍以上ある。
不思議だ。
農業は儲からないと聞いていた。
それがどうしてこんなに高収益なんだろう。
ランチェスター経営の
師匠でもある竹田陽一代表に聞いてみた。
対象は法人。
農業生産法人にする所は積極的な所が多い。
まだ腑に落ちない。
先日、
九条ねぎの「こと京都」の山田敏之社長の話を聴いた。
脱サラして父の農家を継ぐ(1995年)。
当初いろいろな野菜を生産していたが、
「九条ねぎ」一本に絞る(1997年)。
市場のセを見学して、高額商品を知る。
生鮮野菜だけでは年商1億円は届かないことを悟り、
「カットねぎ」の加工に進出(2000年)。
業界・客層を「ラーメン屋」に特化し、開拓に成功。
売上1億円を突破(2003年)。
養鶏事業や菓子事業など多角化をするも失敗。
本業に注力。
3億円規模の工場に投資。
売上は3億円を突破(2006年)。
誤表示・偽装の発覚
(九条ねぎと言って、京都以外の産地、中国産)(2013年)。
偽装等のおかげで本物である九条ねぎがクローズアップされ、
注文が急増。売上7億円(2013年)。
4億円の工場投資。
売上10億円突破(2015年)。
生鮮野菜だけではなく、
加工品や冷凍品、
そしてドレッシングなどの商品を製造・販売を手かげている。
いわゆる第6次産業。
山田社長はサラリーマン時代、営業マンだったこともあり、
九条ねぎの営業に注力した。
普通の農家は作るだけ、
加工もやらなければ、販売もしない。
だから儲からない。
生鮮野菜だけだと、自然災害に弱い。
加工品や冷凍品があれば、
売上高を安定させることができる。
最後に、山田社長に質問してみた、
「現在売上13億円。総資産と借入金残はどのくらい?」。
山田社長、「総資産は10億円。借入金は9億円」。
普通の会社なら経営破綻する。
山田社長、「農業だからできるんです。3年据置25年返済。
しかも年間の支払利息は350万円。国が応援しているんです。
攻める(市場を押さえる)のは今なんです」。
なるほど腑に落ちた。