「転ばぬ先の杖」
2月4日付日経新聞、
「中国の中小企業が海外進出」という記事。
今まで海外進出を考えたことがなかった
中国の中小企業が、
中国での競争激化と販売不振を受け、
国外でビジネスチャンスを模索する動きが広がっている。
中国では、過去1年の間、
「海外進出」が流行語になったほど。
中国市場は
昔のような高水準の成長は維持できない。
価格競争の激化と
消費者の購買力減少で
国内の売上が減少。
特に中小の商社は海外での事業拡大が急務。
中国の産業基盤が
欧米の製品・ブランドと
競争できる水準まで向上していると。
中国市場で新しい製品を発売すると
すぐに模倣されるが、
海外では模倣されることはないと。
日本ではどうか。
日経新聞が長年「地域発世界へ」という
中小企業を紹介している特集がある。
武生(たけふ)特殊鋼材(福井県)は
刃物の素材となる鋼材メーカー(年商22億)。
海外現地の刃物メーカーに販売。
特許を保有するオリジナルの製造方法。
海外売上は約2億全体の1割前後。
キンセイ産業(群馬県)は
廃棄物処理プラントメーカー(年商37億)。
独自技術を持つ(特許)。
海外売上は約3億円と全体の1割近い(8%)。
奥谷金網製作所(兵庫県)は
工業用金網メーカー(年商13億)。
特殊な技術加工を持つ。
海外売上は50百万(約4%)。
共通しているのは、
独自性のある商品作り。強いもの作り、一番作り。
日本においても差別化できている。
海外展開においては、
海外の展示会に参加し続けている。
時間とコストをかけている。
その結果、
成果が出ている。
それに耐えられる企業の収益力がある
(1人当りの純利益が平均以上)。
海外進出はイチかバチかではない。
国内における粗利益の補給力を備えながら(強いもの作り)、
海外展開への先行投資をしていく。
時代の変化に伴い、
自社の今売れている商品が
やがて売れなくなる時がくるかもしれない。
特定の商品や業界に執着していると
会社は衰退するかもしれない。
こうならないために、
社長は将来に対する研究を日々行う必要がある。
転ばぬ先の杖。