「社長、会社を閉めましょう。」
「長く経営していると、業界のライフサイクルの変化、
競争相手の出現、販売先業界の変化、社会の変化、
さらに法律の改正などで、売上が構造的に低下することがある。
これに対しては、
営業ルートや業界・客層を変えたり、
営業方法を変えざるを得なくなる」
と書かれています。
モノ作りに関わる会社A社の話。
リーマンショック前は売上高5億円経常利益50百万円、
自己資本比率60%、無借金と健全経営をされていました。
リーマンショック後、
モノの動きは止まり、
売上高は3億円まで減少し、初の赤字を計上しました。
その後持ち直したものの、
得意先の日系企業が韓国、中国企業に市場を奪われ、
業績不振に陥りました。
3期連続赤字で、
売上高が1億円まで下がり、
毎月赤字を計上。
豊富な現金を保有していたA社でしたが、
みるみる現金が減っていきました。
「社長、現状の売上で利益を出すには、
どのくらい削らないとダメですか」。
A社長、
「人員を半分まで減らし、
事務所を都心から郊外へ移転しなければならない」。
後継者にも聞いてみました。
「現状で利益を出すために人員削減と
コストダウンでこれからもやっていけますか」。
後継者、
「う~ん・・・・。」。
(これは存続は難しいかな)
存続が厳しいならば、
A社がなくなっては困る会社や
A社の事業に関心のある会社に打診してみること。
可能性がない場合のことを考えて、
会社を閉めるXデーを予め決めておくこと。
今だったら資産超過であり、
債権者等に迷惑かけることはない。
後は従業員の退職と雇用のあっせん支援です。
後日、後継者が、
「私がやります。会社をなくすわけにはいかない」
と強い意志と熱意を持って。会社を継続することになりました。
経営の実行の手順は、
1「情熱・熱意」⇒2「目的・目標」⇒3「戦略」・「仕組み作り」⇒4「戦術」。
厳しい状況は変わりませんが、
新しい業界へ足がかりもあり、
後継者の熱意に期待したい。