「知らぬが仏」
新聞・雑誌等で社長に対して
「今年の重点課題は何か」というアンケートを見かけることがある。
1位には商品開発の強化や営業力の強化が挙げられる。
2位に社員教育が続くが、
社長自身の成長という課題は、どこにもない。
多くの中小企業の社長は、
業績のほとんどが従業員で決まる
と考えているフシがある。
本来は、
弱者の戦略(不利な会社のやり方)で
経営すべき会社が間違って
強者の戦略(有利な会社のやり方)で経営をする
と根本的に間違った仕事を全員で実行する。
すると
従業員1人当たりの粗利益は1~2百万円減少する。
従業員10人だと1年間で10~20百万円のロスになる。
戦略ミスによるロスは音がしない。
そのためこれに気がつかない社長が多い。
これを「知らぬが仏
(知れば腹も立つが、知らなければ仏のように平穏な境地でいられる。
転じて、当人だけが知らずに平気でいるさまを哀れみ、嘲っていう語)」という。
業績の何割が社長1人で決まるか。
社長の実力テストはなく、
社内には社長1人しかいないため
実力のレベルは不明。
社長が担当する役目がはっきりしないため、
やはり社長の実力は解らない。
実は、
社長の経営目標の定め方の善し悪しで業績は決まる。
会社は粗利益で生きている。
他社より有利な条件で
粗利益が補給される源泉をいくつか持たないと
根本的に利益性を良くすることはできない。
強い競争相手との力関係を考え、
自社の経営力を考えた上で、
将来強くなれるものや、
1位になれる見込みのあるものを見つけ出し、
これを重点目標に定める。
これらは従業員100人までの会社では社長が行う。
ランチェスター経営では、
業績の98%が社長1人の戦略実力で決まる。
(えっ、そんなに高いの?)
昨年11月、戦略社長塾小岩校と銀座校総勢20名で
会社見学(創業46年。創業以来増収増益を続けている。マザース上場)に行った。
業界日本一の会社で磐石ではあるが、
あえて会社の課題は何かと訊いてみた。
創業社長曰く、
「社長自身の成長である」。
社長の成長なくして、
従業員の成長はなく、
会社の成長もない。
社長である限り、勉強し続ける。
終わりはない。