「町工場でビール」
3月7日付日経新聞、
「町工場、自社タンクでビール」という記事。
大阪府岸和田市で60年培ってきた
独自技術を生かしたタンクで
地ビール製造に乗り出した町工場(北海鉄工所)がある。
同社は1960年代から取り組んできた
「鏡板」の生産技術がある。
鏡板は原子力・火力発電所や宇宙ロケット、
船舶などの高圧タンクの端部に使われる
半円形の部品(鏡板の国内シェアは、同社が50%でトップ)。
17年技術を高めるために
社内技術者によるタンク製造の競技会を開催。
社長が「これで作ったビールを飲みたい」とつぶやいた。
これが「岸和田ビール」の第一歩になった。
帝国データバンクの会社年鑑によると北海鉄工所の業績は
2020 2021 2022 (単位:百万円)
売上高 4,570 4,053 4,054
純利益 625 356 308
売上純利益率 13.6% 8.7% 7.6%
1人当りの純利益は2,428千円、
中小製造業の平均純利益の3~4倍は出している。
強みを持ち、市場占有率トップ企業は
高収益であることを立証。
3月8日付日経新聞、
「公取委、下請法違反で日産に勧告」という記事。
日産自動車による部品メーカーへの不当な減額取引は
多重下請けの構造問題を浮き彫りにした。
裾野が広く中小企業が多いほど
価格転嫁のハードルが高く、
納入先への価格交渉力が弱く、
取引の打ち切りを恐れている。
その結果、
利益を出す体質にはなりずらく、
賃上げも困難になる。
下請けの製造業と先述の北海鉄工所とは
何が違うのだろう。
高収益企業は価格決定権が自社にある。
下請けは
売上の大半を特定の1社に依存している
(営業力に疑問)。
故に価格交渉力が弱い。
高収益企業は多くの顧客を持ち、
特定の企業に偏らない。
儲かる儲からないは何で決まるのか。
考えさせられる。