「生存者利益」
9月29日(日)付、日経新聞に
「鋼材・紙 在庫だぶつく。外需・内需に停滞リスク」
という記事。
鋼材やダンボールなど産業用資材の
在庫が国内で過剰になっている。
米中両国の貿易戦争などで
中国の景気が減速し、
輸出向けを中心に需要が細る。
「産業機械向けの受注は減ったまま」。
千葉県浦安市の鋼材問屋の経営者はぼやく。
産業活動の傾向を示す資材が鋼材。
自動車や機械、家電など用度が広い。
米中摩擦の長期化で、
中国向け輸出も多い工作機械などの需要が落ちている。
社長塾に参加されている鋼材専門運送会社の後継者は、
「浦安鉄鋼団地は暇です。トラックが動いていない。
今まで鋼材問屋間の運送が主流でしたが、今は少なくなり、
(建築)現場への搬入が8割占めるようになりました。
主に港区、渋谷区、江東区」と。
浦安鉄鋼団地内で加工業を営んでいる社長は、
「米中の貿易摩擦の影響で、
製造業が設備投資を手控えている。
それが鋼材の需要減に。
これからもボデーブローに効いてくるだろう。
当社は技術力があるおかげで、
大きなイベントのモニュメントなど受注しているが、
それでも売上は前年度を若干下回った。
来年あたり大きな衝撃が来るんではないか」と。
もともと2015年頃、社長塾では、
「鋼材の需要は18年がピーク、
19年頃から徐々に下降線、
オリンピックの20年がどんと落ちる」
と予想していた。
正にその通りになってきた。
(市場は縮む。しかし、自社のシェアを伸ばすには・・・)
「鶏口となるも牛後となるなかれ」。
大きな市場の業界で地位はビリ。
牛のお尻。
大きな不況の雨が降れば、
根っこから流される。
それよりも
小さな市場ながら1位に。
大きな市場であれば
細分化して部分的に1位に。
そうなることによって生き残る。
廃業したり、亡くなった企業の顧客も
自社に流れてくる。
生存者利益。
生存するためには
強みを磨いていくしかない。
ゆめゆめ牛のお尻にはならない。