「正解はひとつではない」
東京下町にあるアパレルのOEM製造会社の話。
昔、同業者がどんどん中国に進出していき、
自社は行きそびれていました。
OEMばかりではなく、
自社ブランドを作り、
いろいろ試行錯誤していました。
自社ブランドは立ち上げたものの、
結果的には拡げることはできませんでした。
今は100%OEM。
売りは、「MADE IN JAPAN」。
数が少なくなっている協力工場を発掘・育成して、
サプライ・チェーンを確立しました。
そうなると「下請け」という位置付けではなく、
パートナーという位置付けまで地位を上げていきました。
こうなると価格や納期で競うのではなく、
アパレルメーカーの一部門の位置付けになり、
なくてはならない存在になります。
脱・下請けとして自社製品を作り、
自分で売っていくことは正しい道ではあります。
しかしOEMを極めることもひとつの生き方です。
もうひとつの東京下町にあるアパレルOEM会社の話。
ここは過去2回「ガイアの夜明け」に登場しています。
下町の4社が集まり、
下町ブランドを作り、
イタリア・ミラノの展示会に年2回出展し、
欧米のセレクトショップに販売実績が増えてきました。
徐々にですが
「MADE IN JPAN」が
認知されるようになりました。
銀座にオープンした「東急プラザ」の6階に
はじめて常設の店舗を出店しました。
主力はOEM事業ですが、
自社(東京下町)ブランドが花開き始めてきました。
そこに欧州のセレクトショップからOEMのオファーがありました。
ミラノの展示会における東京下町ブランドが評価を得たのです。
ブランドを持っていたことがOEMの依頼を受けたのです。
ブランドを立ち上げなかったら、この話はありませんでした。
この2つの事例で思ったのは、
正解はひとつではないということです。
会社の強み、個性、
そして経営力と顧客と競争相手との力関係などの諸条件により、
正解が違うということです。
ただ言えることは、
強みをより強くして、
独自性を発揮して、
顧客に受け入れられていることです。
永遠の課題ですが、
自社の「強み」は何か。
ここに気がつかないとヤバイことになります。
まずは自社の「特徴」を発見し、
磨いて「強み」にして、
さらに磨いて「てっぺん」にする。
ここなんですね。