「新たな展開」
9月15日付、日経新聞の「地域発世界へ」は
カモ井加工紙株式会社。
同社は、「ハエ取り紙」の製造で成長し、
時代の変化とともに粘着テープのメーカーに転身。
工業用マスキングテープを主軸として海外にも展開。
2008年には工場見学をした女性客の要望で
装飾用マスキングテープを販売。
「もっと強度がほしい」など
顧客の声を聴いて製品改良を重ねてきた。
海外でも姿勢は同じ。
現地の声を生かした販売は勉強になるとのこと。
カモ井加工紙株式会社は
新商品開発に成功した事例である。
新商品開発のチェックリストとして
以下の4通りがある。
1.商品の性質や製造技術は類似、客層と販売方法は同じ。
2.商品は異なるが、客層と販売方法は同じ。
3.商品の性質や製造技術は類似しているが、
客層と販売方法は異なる。
4.商品は異なり、客層と販売方法も異なる。
カモ井加工紙株式会社は
ハエ取り紙から工業用マスキングテープは3に属する。
さらに装飾マスキングテープも3。
製造技術(応用も含む)の横展開になる。
客層や販売方法は異なるため、
通常は成果を上げるのには時間がかかる。
製造業はカモ井加工紙社のような
製造技術の横展開が理想である。
小さな会社は、
まず同じ客層・業界に類似した商品や異なる商品を販売する
1.や2.から始めることが望ましい。
異なる客層・業界に販売することは
同じ客層・業界に販売するより数倍難しい。
ましてや
異なる客層・業界に異なる商品を販売する4.は一番難しい。
新商品開発や新規事業で失敗する多くは4.。
新商品開発は誰も教えることはできない。
唯一あるとしたら、
顧客を継続的に観察し、
顧客から不便や不満、要望など
商品・サービスに関する情報を収集していくことしかない。
現在の商品の真の用途は何か、
顧客は商品のどこに価値を認めてお金を払っているか、
また隠れた用途はないか、
これらを考えてみると新しい商品のヒントが見つかるかもしれない。
商品・サービスを深堀していくと
新たな展開を見出すことができる。