「数字のからくり」
7月16日付、日経新聞に
「中国、6.2%成長に減速(4~6月)、貿易戦争が影。
92年以降最低」という記事。
4~6月期の成長率は1~3月期より0.2ポイント縮小し、
1992年以降で最低となったと、
中国の経済成長に急ブレーキがかかったように書かれている。
私はいつも不思議に思う。
今の時代で年率6.2%の成長率は
すごい伸び率ではないのか。
それも90年代、2000年代、2010年代と6%以上を維持している。
一方、日本はどうか。
内閣府の資料によると1~3月実質成長率0.5%(名目0.8%)。
低い。
中国と日本の名目GDPを比較してみると(単位:10億米ドル)
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
中国 6,066 7,522 8,570 9,635 10,534 11,226 11,221 12,062 13,407
日本 5,700 6,157 6,203 5,155 4,850 4,389 4,926 4,859 4,971
日本は2010年に中国に抜かれてから現在は中国の約1/3に。
日本総合研究所、主席研究員の藻谷(もたに)浩介氏
(「デフレの正体」「里山資本主義」著)の話を聴いた。
彼は言う。
「『イメージ』や『空気』は事実と違う。
常に事実を数字で確認しないと間違える」。
「イメージの多くは『構成比』が根拠。
率だけでなく絶対数を見ないと間違える」。
日本はGDPでは中国に離されているが、
国際収支では日本は負けていない。
国際収支は1985年以降、黒字を続けている。
米国、中国、台湾、韓国、インド、タイ、ドイツ、英国、オランダから稼いでいる。
一方、中東諸国、ロシア、オーストラリア、ベトナム、は赤字。資源を輸入。
スイス、イタリア、フランスも赤字。
スイスは時計。イタリアはパスタ。フランスはワイン等と輸入。
1989年4月から消費税を導入。
3%から8%。次は10%に。
日本のGDPと政府債務(政府の借金)の推移を見ると、
この25年ほど名目GDP500~550兆円で推移。
2008年から政府純債務残高がGDPを超え、
2018年では政府債務が318兆円上回る。
消費税を上げていっても、
政府債務は減るどころか増加。
火に油を注ぐとはこのこと。
まずは債務圧縮。
与野党だれも言っていない。