「教育は上から」
現リクシルの創業者潮田健次郎氏が「私の履歴書」
(2006年3月、後に「熱意力闘」として発刊2011年)
にこんなことが書かれていた。
業績が安定したころに、
「自分は経営者として何も分かっていない」と反省。
次の飛躍のために、
日常業務は経営幹部に任せ、
自分は経営セミナーに通い始めた。
セミナー通いは1年余り続いた。
大きな収穫は(専門的な)本を読めるようになった。
基礎知識がないと本を読んでも理解できない。
入口を突破させるのが「教育」だ。
社長自ら通っているのは私一人、
大企業は社長は参加せず、
部長クラスが参加していた。
大企業に勝つチャンスはあると感じた。
企業内において教育を取り組むとき、
組織の階層が高い人から順番に勉強して
経営実力を高めることが正しいやり方になる。
この順番を逆にして
若手社員から順にやっていくと
上司と部下で逆転現象が起こり、
多くの矛盾が生まれてくる。
ITエンジニア兼経営アドバイザーの話。
従業員数100人規模の会社にITをサポートしていた。
社長と面談しながら
ITシステムの再構築を携わっていた。
その後、経営戦略の相談を受けるようになった。
そこで社長を含めた取締役数名の経営勉強会を提案。
経営に関するDVD教材を見て、
参加者とディスカッションをしながら進めていった。
その都度参加者に感想文を書いてもらった。
半年が過ぎた。
継続の依頼があり、
新たに中間管理職向けの経営勉強会を開催することになった。
各取締役たちは、
「みんなで会議をすることがあったが、
全て業務の打ち合わせだった。
経営について、戦略について
語り合ったことはなかった。
弱者の戦略と強者の戦略があることを知らなかった。
先代はワンマンだったけれど、
弱者の戦略でやっていたことが分かった。
今まで、大手がやっていたことは『正しい』と思い、
追随することがいいことだと思っていた。
大手と同じことを
してはいけないことが理解できた」。
ITエンジニア兼経営アドバイザーは
トップから教育を始めてよかったと感じた。
今までバラバラに動いていた経営陣が
戦略が統一でき、一体化してきた。
なるほど教育は上からが鉄則。