「掃除で売上は上がらない」
11月7日(火)、日経新聞の一面に
「中堅上場ランキング『新市場」『ニッチ』で成長」という記事。
その中で5位にランキングした幼児活動研究会株式会社は、
幼稚園や保育園に体育講師を派遣で日本一の会社。
1972年の設立以来、
45期連続売上高を伸ばしている。
(1度も売上が落ちたことがない)
11月9日(木)、戦略社長塾・小岩校・銀座校・五反田校で
経営を学ぶ社長たちと同社を見学した。
同社の山下社長とは15年前に出会い、
2,000人以上の社長とお会いしたが、
その中でもトップクラスの経営者である。
8:30~8:45、環境整備(掃除)の時間。
机の上、引き出しの中、椅子の裏、
パソコンのキーボードなど掃除が行き届いて、綺麗。
トイレは清掃会社が入るのだが、
同社のフロアだけやらず、
社員がトイレ掃除を行っている。
小便器の「タレ受け」におにぎりを乗せられるほどピカピカ。
参加された社長たちは度肝を抜かれた。
掃除をすれば、売上は上がるかという問いに、
「売上は上がらない。掃除と業績は関係ない」と答える。
但し、
「社員を一人前に育てるには、掃除は必要である」
とも答えた。
「仕事のできる人は、小さいことに気づく人。
掃除は気づく人を育てる」。
少子化であり、私立保育園は微増だが、
私立幼稚園は毎年100園潰れており、
市場は縮小傾向。
にもかかわらず、
15年前に出会ったときは、年商30億円、
今は年商60億円を越えている。
売上が伸びているのはなぜか?
「少子化。
幼稚園の経営難。
保護者の子供に対する健康志向。
幼稚園の先生や保護者も多くは女性。
そこに男子の体育講師を派遣することで
幼稚園の差別化になり、
時流に乗った。
また経営難の相談に乗り、
幼稚園・保育園に特化した経営コンサルティング事業を立ち上げた。
今では園長を派遣している。
競争相手は体育講師の派遣だけで、
経営コンサルティングができない、やらない。
そのお陰で新しい顧客が増えている」
全国で私立幼稚園・保育園が20,000園あるうち、
顧客は1,000園。
市場占有率5%。
それを10%までもっていこうとしている。
「社員を喜ばし、お客様を喜ばす」
を理念に、
小さい市場で成長し続けている。
「参った!」