「心に火をつける」
ランチェスター「組織戦略」テキストに下記のことが書かれています。
「教師には3つのタイプがいる。
1人目は、教科書を下手に教える人。
2人目は、教科書を上手に教える人。
3人目は、教科書を上手に教えるのはもちろん、学生の心に火をつける人。
これは従業員教育にも同じことがいえる」。
社長が従業員の心に火をつけることができるかどうか。
社長と従業員の利害は対立すると言われています。
会社側から見ると、
従業員は経営の目的・目標を達成する手段になります。
従業員の立場では、
自分の人生が目的であって、仕事は生活費を稼ぐ手段になります。
対立する構造になっています。
人の心理を理解するには、
マズローの基本的欲求(5段階)を参考になります。
人間の第1段階の欲求は、生理的欲求。生命維持に関する欲求です。食べること、睡眠など。
第2段階は、安全の欲求。心身の健康や安定した収入を確保したいという欲求。
第3段階は、所属と愛の欲求。孤独から仲間や恋人をほしいという欲求。
第4段階は、承認の欲求。自尊心と他者からの承認です。
自尊心は自信・能力・熟練に対する欲求で、
他者からの承認は名声・表彰・受容・地位・評判など。
第5段階は、自己実現の欲求。
愛情欲求や承認の欲求が適度に満足された後に
自分がどこまで成長できるか挑戦する欲求です。
従業員は会社の一員ということで、
第3段階の「所属の欲求」は満たされており、
次の第4段階の「承認の欲求」へステップアップ。
ここから従業員教育が必要になります。
学び、実践、認め、評価すること。
そこで自信がついたら、
第5段階の「自己実現の欲求」へステップアップ。
第4段階当たりから従業員の心に火をつけたいものです。