「廃業の決断」
昨年末に読者からメール配信停止の申込がありました。
「いつもお世話になっております。株式会社○○○のAです。
突然のご報告で申し訳ありませんが、
弊社は今年いっぱいをもって廃業とさせていただきます。
これまで色々とお世話になりました、御礼申し上げます。
来年からはメールサーバも閉じますので、
郵便物と併せて、お送りを止めて いただきますようお願いいたします。
本当にありがとうございました。宜しくお願いいたします。」
株式会社○○○を経営していたA氏の父親が急死したのが5年前。
その後、子息であるA氏が会社を承継しましたが、
今回廃業という形で会社を閉めることになりました。
理由を訊いてみると、
「父の時代から特定企業1社に売上の大半を占めていました。
得意先を分散しようと顧客を開拓する努力をしましたが、
特定企業1社の割合は変わりませんでした。
そうこうしているうちに特定企業1社の業績が悪化し、
当社は受注減となり、
このままでは会社は立ち行かなくなると思われました。
今年の8月に入り、廃業を決断。
その後は5人の従業員に対して就職先を斡旋して
再就職ができるようにしました。
自分も次に行く宛が決まりました。
今だったら債権者、皆様にご迷惑をかけないですむと判断し、
廃業の手続きをしてきました」
勇気ある決断でした。
ずるずる引っ張って決断を先延ばしする人がいます。
結局、廃業ができず、債権者に迷惑をかける倒産にいたるケースがあります。
撤退する勇気、
切り捨てる勇気。
そして新たな明日への展開する第一歩。
ランチェスター「営業戦略」DVDテキストに、
「長く経営していると、業界のライフサイクルの変化、
競争相手の出現、販売先業界の変化、社会の変化、
さらに法律の改正などで、売上が構造的に低下することがある」
とあります。
営業ルートや業界・客層を変えたり、
営業方法を変えざるを得なくなります。
このとき必要なのは、「情報」です。
常にアンテナを張り巡らすことです。