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●大資本と小資本 ●桐一葉(きりひとは) ●物事の根幹は「知」

「大資本と小資本」

「日本でいちばん大切にしたい会社」
の著者坂本光司氏が最近
「もう価格で闘わない」を書かれた。

全国の中小企業を対象に
「貴社の存立基盤は価格ですか、非価格ですか」
という設問に、

約1000社からの回答では、
「価格競争型企業」が81%、
「非価格型競争型企業」が19%。

価格の安さを売り物にした企業が8割占めていた。

大きな資本力の大企業は規模の大きな市場を目指す。
資本力の小さい中小企業は小さな市場、ニッチ市場を目指す。

これを無視し、
中小企業が大きな市場に参入すれば、
資金や人材が続かず、
大企業に食われてしまう。

中小企業は、
小回りやスピードが生かせる分野、
小ロットや短納期が要求される分野、
顧客の顔が見える分野、
他社がやれない・やりたくない分野で生きる。

しかし、
多くの中小企業は小ロットや面倒な仕事を嫌い、
大ロット・手離れのよい仕事を好む。

その結果、
大手企業の下請けの道を選択する。
参入障壁は低いので多くの企業が参入し、
価格競争は年々激化し、疲弊していく。

100分de名著の
カール・マルクス「資本論」(斎藤幸平氏)では、

資本家(ここでは大企業)が生産力を挙げたい理由は
商品をより安く生産して、
市場で勝ち残るため。

より安く生産し、
低価格を売りにし市場シェアを拡大、
薄利多売でも利益が増える。

資本家が生産力を挙げる技術革新の狙いは
「価値」の増加だけではなく、
労働者(中小企業含)に対する支配の強化。

商品を安く作るべく労働者(中小企業含)を
効率的に働かせようとする。

マルクスは資本主義に警報を鳴らした(現在のコロナ禍)。

好むと好まざると
我々は資本主義の恩恵も受けており、
離れることもできない。

ここから学ぶことは、
何も手を打たなければ、
資本の原理で大資本に吸収される。

資本主義の中で
小資本でも大資本に
組み込まれない対策はあるはず。

大資本(大企業)や
同業者がやっていない、
やりたがらない分野を発見し動き出す。

価格は高いが、接客サービスやアフターサービスが抜群。
価格は高いが嘘をつかず安全・安心。
価格は高いが親切ていねい。

価格でない所で頭をひねり汗をかく。

 

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