「同時多発の供給不足」
半導体需要の急速な高まり、
新型コロナウイルス感染拡大による
東南アジアの工場の減産、
また中国の電力不足で
完成品メーカーに部品を供給するメーカーの工場が
稼働停止に追い込まれ、
世界的なサプライチェーン(供給網)が寸断など、
様々な要素が重なり合い、
調達が混乱している。
日経ビジネスによると、ファナックでも
「半導体や電子部品、鉄、銅線、樹脂など、
あらゆる部品や素材が入手難に陥り、
納期が延びてしまっている。
少なくとも半年はモノ不足が続く」と。
需要はあるのに供給ができない。
コロナ禍では供給はあるのに
需要がない状態でもあった。
その反動で今は需要増、しかし供給がない。
違った不安材料が生まれた。
明確な解はない。
中小の製造業でも加工する素材が
思うように仕入れることができない、
且つ価格は高騰している。
取引先とはタフな交渉になる。
従来通りの価格や数量はできない。
数量を絞り、価格もそれ相当に上げることになる。
減産もしくは生産休止など。
靴製造会社は日本製ではあるが、
素材の一部が海外調達。
それが届かないため、
製造ができない状態に陥る。
今までコロナ禍でユーザーが外出を自粛していたため、
売れずに在庫としてある商品を
順次売っていくことになった。
飲食店は緊急事態宣言解除により、
顧客は週末戻りつつあるが
平日はまだコロナ前には戻っていない。
需要は戻りつつあるが、
人手という供給が大幅に不足している。
パートアルバイトの戦力が集まらない。
店を開きたくても開けないところもある。
また平日はコロナ禍と同様に営業時間を短縮せざるを得ない。
緊急事態宣言中は協力金があったが、今はない。
新たな生き残りを考える。
会社は粗利益で生きている。
人件費やその他の経費を賄うだけの
粗利益を確保しなければならない。
利益性の原則を再度見直す。
粗利益の補給力がどこにあるのか、
もう一度再確認する。
コロナ禍とは違った我慢が要る。