「利益性の善し悪し」
トヨタ生産方式というものがある。
その狙いは、徹底的なムダの排除。
モノの4つの状態を知ること。
1.停滞。2.検査。3.運搬。4.加工の4つ。
1.停滞とは、何もされていない状態で在庫になっているもの。
2.検査とは、加工されたものの良否を確認されている状態。
3.運搬とは、ものが移動している状態。
4.加工とは、ものの状態が変わることで、切削、溶接、組付けられる状態。
加工だけが付加価値があり、
停滞、検査、運搬はモノをつくる上で必要な工程ではあるが、
それ自体に付加価値はなく、原価を上げるだけなので、
最小限に抑えるべき工程である。
実態を調べてると加工の比率が驚くほど低いことに気づく。
利益性を考えるとき、
まず必要になるのは、
会社という組織体は粗利益で生きているということの確認。
訪問型営業の会社で見ると、
営業マンには3つの業務がある。
1.顧客のところまでいく移動。
2.社内業務。
3.顧客と面談・コミュニケーションの3つ。
移動時間は必要ではあるが、生産性マイナス。
社内業務時間も必要だが、粗利益は生まない。
粗利益が生まれるのは、顧客と面談・コミュニケーションの時間だけ。
移動時間や社内業務時間が多くなると
営業経費が増加することになる。
利益性を高めるには、
移動時間と社内業務時間を少なくし、
面談・コミュニケーションの時間を増やす事になる。
訪問型営業の会社に営業マンの時間を調査すると、
「面談・コミュニケーション」の時間が全体の25%を切ることが多く、
意外に低いことに気づかされる。
従業員15人の会社で、
社長と営業マン1名の計2名のところでは、
社内業務時間が54%、面談・コミュニケーションは28%だった。
ここに利益性の善し悪しが隠されている。
社内業務の時間の改善が
面談・コミュニケーションの増加につながり、
利益性が良くなる。
飲食業では、仕込みが社内業務時間。
ある飲食業の社長は、
「仕込みにムダ・ムラがあった。
生産性を高めると、面談・コミュニケーションである営業時間を増やせる。
うちは客待ち時間がないから粗利益が増える」と。
時間をどう考えるかで、利益性は変わる。