「全員が100点」
業務規則集(マニュアル)というと
無印良品の「良品計画」が思いつく。
マニュアルには、
経営から商品開発、売り場のディスプレイや接客まで、
すべての仕事のノウハウが書かれている。
個人の経験や勘に頼っていた業務を「仕組み化」し、
ノウハウとして蓄積させる。
マニュアルは、
実行力を養うテキストであり、
自分が「どう動くか」を考えるための羅針盤。
戦略社長塾では、
顧客維持戦略のテーマで「業務規則集を作る」ところが出てくる。
これは経営原則と経営方針、
さらに仕事に対する心構えをまとめたものになる。
中小企業の場合、顧客対応を中心に業務規則集を作る。
1.会社は粗利益で生きている。
2.商品を買う決定権はお客が100%。
3.多数の競争相手がいる。油断するとお客は他社に流れる。
4.お客に不便・二度手間をかけない。
5.お客には性善説で親切に対応する。
6.クレーム、返品には社長の方針を出す。
7.社内ルール、書類作成方法を書いておく。
業務規則集をもとに従業員教育をする。
教育効果=素質×教材の質×教え方の質×教育回数。
社長がインストラクターになって、従業員に直接教育をする。
A氏の話。
「業規則集を一つひとつ作っている。
作るのは大変な作業だったけれど、
業務規則集があると、教えるのが楽。
教わる方も理解度が早く、深い」。
B氏の話。
「経営に個人のスタンドプレーは必要ないことがわかってきた。
各々の勝手な考えで仕事をさせない。以前はバラバラだった。
大事な事は『そろえる』こと。
ちゃんと経営方針に合った考え方で仕事をしていく。
『一貫性』をもってやっていく」。
教育回数を多くし、テストも行う。
テストは全員が100点を取るようにする。
学校のテストは序列をつけるためであるが、
経営では全員が100点を取る。
経営方針や仕事に対する考え方を揃えていく。
優秀な人は大企業に行ってしまう。
中小企業に来る人は、良くて「普通の人」。
あせらず、根気良く育てていくしかない。
これも社長の戦略実力のうち。