「企業を立て直す」
9月5日付日経新聞、
「そごう・西武、データで再生」という記事。
そごう・西武がセブン&アイHDから
米ファンド会社に売却されて1年が経った。
大手百貨店がファンド主導で再生の挑戦が始まった。
そごう・西武は
婦人服、子供服、家具の販売から撤退。
何でもそろう
「フル百貨店」を脱する改装を発表。
改装案は徹底した分析から生まれた。
西武百貨店にあった約750ブランドを
売上や利益、坪効率などで順位をつける。
するとほぼ全ての利益は
高級ブランド、化粧品、食品で稼いでいた。
これら以外は収支トントンか赤字。
百貨店には特別な買い物のために来る。
ユニクロやヨドバシと競合する日常品を扱うべきではない。
出店ブランドを上位から約380に絞った
(380÷750×100=約50%。半分は切り捨てた)。
セブン&アイの下では非中核事業だった。
そのため攻めの投資がなされていなかった。
また子会社の立場になり、
上に従う「官僚体質」になっていた。
風通しが悪く上に声が届かない。
部署が多くて隣の人が何をしているかわからない。
組織が肥大化していた。
本社の部署を統廃合、執行役員を減らした。
いわゆる組織のスリム化。
百貨店の従来のやり方である
商品ごとに担当者を固定していたものを、
商品やフロアを横断して担当者を配置し、
複数の売り場を機動的に支援するチームをつくった。
いわゆる販売の「多能工」化。
小さな会社が参考にすることは、
強いモノはより強く。
弱いモノは切り捨てる。
他社より優れているモノは伸ばし、
他社より劣っているモノは捨てる。
そのためにはデータを収集し、
分析し、判断し、実行に移す。
強いモノを伸ばすしか生き残ることはできない。
捨てる勇気が必要。
非関連多角化は破綻の元。
コンビニ事業と百貨店事業は
同じ小売業だが全く業態が違う。
客層や商品も違う。
あのセブン&アイでも再生させることができなかった。
まして小さな会社が
非関連多角化を行うと
経営力が分散し、本業も危うくなる。
組織のスリム化。
粗利益を生まない本社機能や管理職は
最少人数で回せるように効率化を図る。
今後のそごう・西武の再生を見守っていきましょう。