「仕事って、楽しいんですね」
5月23日~27日日経新聞
「人間発見/人事部は魔法使い」は
カルビー常務執行役員の武田雅子氏。
彼女は短大中退後クレジット会社に入社、
店長として女性スタッフらの力を引き出して実績を上げ、
後に人事部取締役として
社員が前向きに働ける制度と環境を整える。
50代で転職し、現職に就く。
武田氏は、
リーダーたちに
「全員活躍」する組織というキーワードを示す。
「活躍」とは
横並びで競争して勝つことではなく、
全員が自分の強みや資質を生かし、
チームに貢献して認められる喜びを味わうこと。
他人と比べてどうかではなく、
自分の中で最も自信のある部分で仕事をしてほしいし、
部下にもさせてほしい。
人は皆、
違う生い立ちを持っていて、
得意なことが必ずある。
逆に優秀なリーダーも
限界や不得意なことがある。
ならば競争するのではなく、
互いに得意な部分を生かせばいい。
会社が伸びるにはこれしかない。
業績が悪い店を立て直すとき、
前任者は数字しか見ない人だった。
一人ひとりの強みを最大限に生かし
取引先のためになることは
その人のやり方でやってもらう。
一人の部下が
「仕事って楽しんですね」と言った。
「楽しいに決まっているじゃん」と答えた。
ある小さな会社の話。
業績不振の会社を後継者は建て直すことになった。
業績の悪い部署を見ると、
リーダーが自分の役目を理解していなかった。
リーダーは自分の得意不得意で
業務が偏っていた。
そこで後継者は全体を理解したうえで、
リーダーに正しい役目をを伝え、
不得意な所は得意な部下に任せることにした。
徐々に改善の兆しが見えてきた。
小さな会社の経営資源は限られている。
特に人材。
ダメな所を数えるより、
出来る所を数える。
ちょっとでも光る所があれば、
見つけ、それを伸ばす。
地道な努力を要する。
これが出来そうで出来ない。
武田氏は最後にこう締めた。
「私の信条は性善説。
人を信じずにはいられない」。
強い信念と忍耐力。
それが自分を含め周りを成長させていく。