「事業の定義を変える」
経営の目的は、経営の源であるお客を作り出し、
その数を多くしていくことにある。
企業の成功は、
「我々の事業は何か」をはっきり問い、
その問いに対する答えを明確にすることである。
こう言ったのはドラッカーである。
百貨店の物産展に出店しているI社の話。
2000年に創業してから8年ぐらいは売上、利益を目的にガンガンやっていった。
2008年に結婚、子供も生まれ、
会社以外に家庭や他の社会との関係も持つようになった。
業績は順調に推移していたが、なぜか悶々としはじめた。
2012年大病。
そのあたりからより深く得体の知れないものが襲い掛かってきた。
どこに行けば、
誰に会えば、
答えを導いてくれるのか、解らなかった。
当時は縁がなかった。
2016年3月、インターネットから「戦略社長塾」のサイトを知った。
それからランチェスター経営を学び始めた。
百貨店の物産展は、全国の各百貨店が主催している。
顧客の集客は百貨店がやってくれる。
こちらは物産展に出店すればある程度の売上、利益は見込める。
しかし、
肝心の百貨店の市場規模がピーク時9兆円超あったものが
現在6兆円割れまで縮小してきた。
閉店する百貨店も多く出てきた。
百貨店の物産展を行う件数が絶対的に減少していき、
利益は確保しているが売上は減少。
このままでは百貨店の衰退と共に自社も衰退してしまう。
もう一度「我々の事業は何か」を問い直す必要がある。
事業の定義を変えなければ。
ドラッカーは、
「事業の定義は必ず陳腐化する」、
「今日では、永続するものはほとんどない」、
「顧客ではない人(ノンカスタマー)について知ることである」、
と言っている。
I社は、百貨店の物産展での強みを
街角プロジェクトというものに転用しようとしている。
空き店舗や軒先を借りて、
短期出店をしていく。
商品は同じでも、
「地域」と「客層」に関しては
新しい試みになる。
百貨店の物産展はすべて百貨店がお膳立てしてくれている。
今回は、企画から集客、販売まで自社で手掛けることになる。
「難しいことにはそれと同等かそれ以上の良いことが隠されている」。
経営が健全な今、やるしかない。