「世界に出る」
12月2日~7日日経新聞夕刊の「人間発見」は
次期アジア開発銀行総裁の神田真人氏。
2024年7月まで
3年間財務省で財務官を務め、
現在は内閣官房参与。
約24年ぶりとなる
円買い為替介入の指揮をした。
25年2月アジア開発銀行総裁に就任予定。
かつて自動車や電機などで
高い国際競争力を持ち、
巨額の貿易黒字を計上した
日本の姿は大きく変貌した。
モノの貿易収支は赤字、
サービスの貿易も赤字。
デジタル部門の競争力が高くないためである。
一方、
貿易以外のお金の流れを合わせた
経常収支は高水準の黒字。
海外への投資からの
利子・配当が増えているため。
そうしたお金は日本に戻ってこない。
海外に再投資される。
海外の企業などからの日本への投資も低い水準。
国際収支の変化を見れば、
日本の経済や企業の力を強めることの
重要性が理解できる。
成長が期待できる分野へ労働者の移動と
企業の新陳代謝を促す取り組みが重要。
日本人は謙虚に
古今東西の様々なことを学んで
独自の文化を築いた。
今は国境の内側にこもり、
国内でも縦割りのサイロみたいなものに
閉じこもっている。
リスクを恐れている。
本来のダイナミックな日本人に
戻って好奇心を持ち、
様々な人を受け容れて、
いろいろと学ぶべき。
多少のリスクをとっても
挑戦するようになれば、
日本人はもっと幸せになれる。
今まで訪れた国の数は100近い。
3回訪れた南米ガラパゴス諸島の豊かな生態系、
南米のイグアス滝で見た自然の圧倒的な偉大さ、
諸民族の素晴らしい文化芸術に圧倒された。
旅行をすると困ったときに
手を差し伸べてくれる
人類共同体の温かさを実感する。
若い人には、
多少のリスクはあっても
どんどん外に出てほしい。
貴重な発見があり、
きっとプラスになる。
若い人でなくても、
世界を見ることは大事。
日本は人、モノ、資金も世界と繋がって生きている。
日本にいただけでは分からないことが多い。
国境の壁、国籍の壁などを取り払い、
切磋琢磨して日本を盛り上げる。