「リスキリングとは」
5月12日付日経新聞の「私見卓見」は、
「リスキリングを無駄にするな」。
リスキリングとは、
社会や市場の変化に適応するために
必要なスキルを習得すること。
実務における成果を目的とするもの。
知識が学べたことで満足し、
または資格の取得で満足し、
実務の成果を求めないまま、
新たなリスキリングに臨もうとする。
これを繰り返すと、
「学習放置→忘却→新たな学習→放置→忘却→新たな学習・・・・」
の循環に陥り、実務での成果にはつながらない。
実務の成果につなげるには、
「学習→実務→成功体験→習慣化」
のプロセスをたどることが重要。
座学によって得られる「学習知」は
体験から得られる「体験知」を伴うと腹に落ちる。
腹落ちすると継続的に実践する動機が高まり、
継続により知識が習慣化し、
実務の成果につながる。
リスキリングは、
知識に体験を伴わせることがカギ。
学習の目的を知識の習得ではなく、
「実践による成功体験の獲得」とし、
実践の仕方まで学ぶ必要がある。
知識や資格の習得は手段にすぎず、
目的はあくまでも実務における成果である。
小さな会社の社長は、
今まで無手勝流でやってきて、
上手くいかなくなり、
会社の業績を良くしたいために
経営を学ぶことが多々ある。
今までのやり方を悔い改め、
素直に学び、実践し始め、
1年過ぎから徐々に良い成果が出始める。
確かに成果が出始めると、
本人は継続して学び、
更に業績を良くしようと
熱意、向上心が芽生えてきてくる。
まずは社長が学び、実践し、
成功を体験し、習慣化していく。
次に幹部社員向けに
社長がインストラクターになって、
勉強会を継続的に開催する。
小さな会社でこのようなことをしている所は少ない。
社員に対して、
「学習→実務→成功体験→習慣化」させていくと、
強い会社になり、
本当の「差別化」につながっていく。
幹部社員勉強会を1年継続している社長は、
「地域戦略の意図が良くわかってきて、
社員からあの地域は遠いからカットしましょうという意見が出た。
共通言語が生まれてきた」
と一体感が出始めたと喜んでいた。