「トヨタ生産方式による営業カイゼン」
日経ビジネス誌に「トヨタ生産方式を作った男たち」という
ノンフィクションが連載されている。
毎回楽しみにしているが、今回は「営業のカイゼン」。
これは「ランチェスター経営」の考え方と一致している。
トヨタが行った営業のカイゼンは次の通り。
まず営業マンが1日、どんな仕事を何分、行なっている作業分析をする。
ストップウォッチを手に1日中、営業マンに付いて歩く。
「バックヤードの整理、20分」
「業務日誌の記載、30分。セールするに出かける準備、5分」。
車の中でもストップウォッチは手放さない。
お客と接客しているときも隠して計測。
時間分析を行わないと営業のカイゼンはできない。
実際に営業マンの仕事見ると、
お客さんと接している時間は意外に短い。
セールストークをしている時間はあっという間。
原因は、
事務の仕事や車の査定をしている時間が長くなるため、
接客の時間が物理的に短くなる。
営業カイゼンの肝は、
接客する時間を最大限に増やすこと。
接客以外の仕事のムダを切り詰め、
余裕のある接客をする。
セールストークの指導はなく、
セールス技術の研修もなく、
店舗やヤードの整理整頓をして、
事務所の仕事や打ち合わせ時間を短くすれば、
余裕を持って営業に臨める。
セールスするための事前の準備をできるようになる。
営業の成約率も上がり、
見込み客開拓に時間をかけることができるようになった。
ランチェスター経営では、営業マンの仕事は大きく3つ。
お客の所へ行く「移動」時間と
会議や打ち合わせの「社内」時間と
お客との「面談」時間。
このうち粗利益が生まれるのは「面談」時間だけ。
「移動」も「社内」も必要だが粗利益を生まない。
「移動」や「社内」を少なくし、
「面談」を多くすれば、
利益性は良くなる。
訪問型営業の場合、
地域戦略(ドミナント)につながっていく。
特定の地域に集中してお客ができると
効率の上昇に伴い利益性が抜群に良くなる
(市場占有率の原則)。
営業は顧客と接する時間を最大限に増やすこと。
ITが進化してもやはりココ。