「もの作りは簡単ではない」
11月3日付、朝日新聞に
「岐路に立つゾゾスーツ」という記事。
衣料通販サイト「ゾゾタウン」を運営するゾゾが
手掛けるPBの「ゾゾスーツ」が岐路に立っている。
採寸専用の無料スーツで、
これを着て注文すれば
ぴったりの一着が届くと話題を集めたが、
10月末に無料スーツの配布を縮小する方針を発表。
ゾゾのPB事業は
2019年3月期に200億円の売上目標に掲げたが、
上半期の売上は6億円余にとどまった。
生産体制に不備が生じたことが低迷の要因。
男性用ビジネススーツは、
適切に縫製されていない不具合が発覚した。
今後は、
生産に問題がないことを確認するまでは
新しいプロダクトを世の中に出さないと述べた。
2ヶ月前の9月初旬、
私は墨田区の縫製会社の社長と話をしていた。
「ゾゾスーツはダメらしい。クレームの嵐。
届いたスーツが丈が短かったり、
寸法が合わないものが多数出たらしい。
それで、
ゾゾの担当者がやってきて、
当社にお願いできないかと打診があったが、丁重に断った」。
素朴な疑問、
「ゾゾスーツで体形のデジタルデータを収集しているわけだから、
それがなぜ、出来上がったスーツの寸法が合わないのか?」。
「服は人と機械が作る。
つまりアナログ。
デジタルデータをアナログデータに変換が上手くできなかったのでは」。
服は型紙(平面)をおこす。
服は3Dプリンターからできるわけではない。
商品3分に売り7分。
商品力が3に対して営業力は7になり、
営業力の方が商品力より倍以上のウエイトが高い。
ゾゾの強みはそこにある。
ゾゾであれば、それなりの商品であれば、
売れると考えた。
しかし、
その商品が不良品では売れない。
販売会社がもの作りに参入して失敗するケースをよく見る。
「製品企画(創る)」⇒「設計・開発(作る)」⇒「生産(造る)」⇒「販売」。
もの作りの各プロセスに難度があり、
そこに付加価値もある。
5年先、10年先には
ゾゾスーツも良いものになるかもしれない。