「眠れない日が続いた」
同業種の上場企業の業績を調べてると
1人当たりの経常利益が同業者より
数段上回っている企業がある。
売上の規模が一番大きいわけではない。
競争力のある商品や一番商品を持っているか、
特定の地域に顧客を集中して作っている。
売上を単純に上げるのではなく、
常に1位作りと連動している。
特定の領域で市場占有率1位になると
利益性が良くなることを知っている。
3年前から経営を勉強され、
今回で3回目の経営計画発表会をした
通信制高校サポート校を運営しているS社。
中学生1,000人に対して
不登校者は約36人。
不登校率3.6%。
S社の見込客は不登校の36人。
そのうち18人がS社に入学すると
市場占有率50%になる。
S社の経営方針は
大都市、県庁所在地には進出しない。
10万~20万人の中核都市を候補地とし、
強い競争相手がいない
(自社より小さい・弱い)地域に進出。
最低でも市場占有率26%以上、
50%以上を目指す。
このルールを守り、
北関東に地域を広げている
(首都圏には進出しない)。
10年前に経営戦略(市場占有率)を学び、
県下でダントツの1位を確保した
パチンコホール業A社。
近年斜陽産業になりつつあり、
新規事業を伸ばしていた矢先に
コロナがやってきた。
全国97%のホール業は休業。
収入は0、
経費は何億円と出ていく。
(不届きな3%のホール業のお陰で)
メディアによる業界全体がパッシングを受けた。
A社長は眠れない日が続いた。
5月に非常事態宣言解除により再開。
「半年、1年続いたら、日本の遊技場はなくなる」。
5月は前年度比30%、直近は60%。
6月中には70%を達成。
お客の戻りは、
県下では当社が一番早かった。
やはり県下NO.1のブランドを確立できたお陰。
他社はまだ苦しんでいる。
今後は固定費削減を断行し、
損益分岐点を下げ黒字化を目指す。
コロナ下、
会社の規模が大きいことは
デメリットにもなる。
日本で1位にならなくても
特定の分野や特定の地域で1位を目指すことが
不測の事態に陥っても生き残れる術。
小さくても何かで1位を目指そう。
「鶏口なるも牛後となるなかれ」。