「商品の絞込み」
2月15日付、日経新聞に
「山パン純利益23年ぶり最高(前期)」という記事がありました。
記事によると、
「山崎製パンの収益力が高まっている。
同社が発表した2016年12月期の連結決算は、
純利益が1993年以来23年ぶりに過去最高になった。
小麦粉など原材料価格の下落が貢献したが、
それ以上に効いたのが商品の絞込みだ。
売れ筋の商品に集中し、
販売促進費と物流費を抑制した結果、
利益率が急速に改善している」。
「出発点となったのが2014年12月期。
惣菜パンの『ランチパック』や
食パンの『超芳醇(ほうじゅん)』など
主力商品を『厳選100品』と位置づけ、
生産と販売を集中する取り組みを始めた。
全体の商品数も削減を進め、
2016年12月期は約1100品目と
2014年12月期に比べ約2割減らした。
生産・販売の効率改善と物流費の抑制が狙い」。
「それまでの山パンは売上高の拡大を優先し、
毎年多くの新商品を投入していた。
新商品はヒットが狙える一方で空振りも多い。
発売時の販促費が膨らみ、
全体としては必ずしも高い利益に結びついてはいなかった」。
山パンの事例は、中小企業にも活用できます。
仮に100品目の商品があるとしたら、
売上高順に並べると、
上位20品目で売上全体の75%占め、
21位~60位の40品目で売上全体の20%占め、
61位~100位の下位40品目で売上全体の5%占めます。
(パレートの法則)。
下位40品目(61位~100位)をカット対象にします。
ここに「決断力」が必要になります。
カットに踏み切れない場合が多いのです。
まず現場の反対があります。
カットすると売上が減るという恐怖。
下位40品目は売上全体の5%に過ぎません。
弱みを切り捨て、
上位の品目に経営資源を集中させることが
経営効率を高めることになります。
それを実現したのが山パンです。
山パンは強者ですが、
「弱みを切り捨て、強みを伸ばす」は弱者の戦略です。