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●勝ち残りではなく、残り勝ち ●熊本ラーメン ●何物にも依存しない

「勝ち残りではなく、残り勝ち」
 
訃報が入ってきた。
私が12年前に独立したときからお世話になった
金型製造の株式会社ムトウ(江戸川区)の武藤惠仁会長が亡くなられた。
 
当初は、経営計画や事業計画の支援をさせていただいた。
2010年以降は、
逆にアジア進出展開を教えてもらった(当時、私はベトナム視察ツアー等4回開催)。
 
同社は韓国、中国に事業所を展開していた。
2011年10月に
「成功するアジア進出のツボ」というテーマでセミナーを開催。
講演者として武藤会長を招いた。
 
同社を取り巻く構造変化で、
韓国や中国に事業を展開せざるを得なかった。
 
金型の顧客は主に大手日系製造業。
顧客は日本製に拘らなくなった。
海外製でコストが安く、
但し日本の品質は確保するという厳しい要望だった。
 
「勝ち残りではなく、残り勝ち」。
オンリーワン企業のような技術はない。
 
普通の金型製造業では、
勝ち残りではなく、残り勝ちの作戦。
 
一見消極的な意見に聞こえるかもしれないが、
工夫をし、努力しなければ残ることもできない。
それが海外展開だった。
 
但し、自前で工場を建てることはしない。
工場はすべて現地企業のもの。
人脈を頼って現地企業を選定する。
 
日本の品質に見合うよう人を派遣して、
現地企業を指導する。
最小限の投資にする。
 
顧客である大手日系企業は、
アジアの金型製造業者と直接取引はしない。
いやできない。
 
同社が間に入ることで、
日本の品質を確保する。
 
大手日系企業にとって、
同社は安全弁。
ここにノウハウがある。
 
韓国と中国に事業所を持っていることも有利に働く。
中国やアジアに進出している日系企業へ
販路として活用できる。
 
今、顧客は日本回帰の動きもある。
江戸川区と山形県の新庄工場が活躍している。
 
小規模の金型製造業者が倒産や廃業すると、
その顧客は同社へ流れる。
まさに残り勝ち。
 
中小企業にとって、海外展開の成功の秘訣は、「人脈」。
信頼できる人のつながり。
 
当たり前と言えば当たり前。
でもこれが一番大事と武藤会長は言った。
 
ご冥福をお祈りします。

 

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